他のコンテンツの作業や本業にリソースを割かれてなかなかネタを増やせなかったわけですが,そのあいだにトリビアの泉なる,このページと類似した番組(注:メールくださった方,うちの方が先なんだってば〜)が登場するなど,世間ではやはりリッチな小ネタが必要とされているようです.
今回の小ネタは題名そのまんまなんですが,ここ1,2年で過激に安くなった牛丼のコストパフォーマンスに関するものです.安売り競争の火付け役となった松屋に始まり,そしてついに大御所のまで…並盛りの牛丼が200円台になってしまいました.(しかも松屋は味噌汁付!)
こうなると,私を含めた大食いの人たちは皆,ある一つの疑問を抱くようになります.
ここまで並が安くなったなら,じつは,こういう疑問に果敢に挑んだページというのは探してみれば既にありまして,ここなどもそうです.当研究所でやろうとしていることもほとんど同じですが,値の普遍性を検証する意味でも両方を比較してみるとよいと思います.ただし当研究所では「並二丁と特盛一丁ではどちらがトクか」というテーマに絞って白黒ハッキリさせることを目的としております. というわけで,全国1000万人の牛丼大喰い(人数はテキトーです)の皆様,ここを読んで疑問を解消し,次回からの注文に役立てましょう!
もしかすると特盛一丁よりも並二丁を食う方がトクなんじゃないか?
現時点で特盛というメニューがあるの牛丼をターゲットにしました.かつては松屋にも特盛があったのですが現在はやっていないため,残念ながらこちらは対象外です.
それから牛丼には店内用と弁当用がありますが,さすがに店内用を店内で調査する勇気はなかったので弁当用にしました.とは言ってもどちらも同じ値段ですから,量にそれほどの違いはないはず…と考えています.きっと店内用の器の容積も弁当用の器の容積も同じになるように計算されていることでしょう.
第一の検証として,購入してきた牛丼の見た目を撮影してみることにしました.
まずは容器を並べてみました.容器を見た限りでは並二丁の方が明らかに多そうです.しかし容器を外から見ただけでは容積の違いまではわかりませんので,やはり同じ大きさのどんぶりに盛った状態でも眺めてみることにしました.んー,並二丁の方が少し多そうに見えます.やはり20円の差として妥当な差なのかな?
しかし,肝心の「肉&ねぎ」だけを別の皿にとって見比べてみると….
並二丁(\560) | 特盛一丁(\540) | |
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まずは容器 | ||
確かに特盛の容器は並よりは深いみたいなんだけど… | ||
盛ってみる | ||
やっぱ並二丁の方が多いなぁ…. でも単にご飯の量が違うだけかも. |
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肉&ねぎだけ | ||
こんなに違うじゃねーか!! |
もう…何というか,明らかに違いますね.こ,これがたった20円の差だというのかぁー!!!
20円の差としては見た目からしてあまりにも違いすぎます.というわけでどれだけちがうのかハッキリさせるべく徹底的なコストパフォーマンス調査を行いました.
並二丁 | 特盛一丁 | |||
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総額 | 560[円] | 540[円] | ||
中身全部 | 重量 | 743[g] | 553[g] | |
1円あたりの重量 | 計算値 | 1.33[g/円] | 1.02[g/円] | |
相対比 | 1.30 | 1.00 | ||
相対値引率 (お買得度) | 23[%] | 0[%] | ||
肉&ねぎだけ | 重量 | 158[g] | 109[g] | |
1円あたりの重量 | 計算値 | 282[mg/円] | 202[mg/円] | |
相対比 | 1.40 | 1.00 | ||
相対値引率 (お買得度) | 29[%] | 0[%] |
詳細は表を見て頂いた通りなわけですが,まとめると全体としても肉&ねぎだけの場合のいずれにしても並二丁の方が一円あたりの量が多く,同じ額のお金を払うと全体としては1.3倍,肉&ねぎだけなら1.4倍の量を頂けることになります.別の言い方をすれば,並二丁の方が全体としては23%オトク,肉&ねぎだけみるとなんと29%もオトクということになります.
これはどう見てもどう考えても…
の牛丼は 特盛一丁よりもという結論に至りますね.
並二丁の方がハイ・コストパフォーマンスである.
牛丼に限らず大抵のものがそうですが,大盛にすると料金とご飯は増えるのに具はほとんど増えないという悔しい思いをすることがほとんどではありませんか? の牛丼も例外ではなかった…,ということになるのでしょう.
これは器の断面積マジックによる効果が大きいと思います.店側は量を多めにするように注文された場合,器上部の断面積はほとんど同じで深さだけ増した器を用意すれば,ご飯の上に載せる具は増やさなくても見栄えを損なわずに全体の量を増やせる…というからくりです.
の場合は過激に安くなったため,器の断面積マジックを逆に利用してしまえばいいのです.普通だと量の多いものよりも少なめのものを複数注文する方がトクだとわかっても金額の差が大きいので少なめ×2を躊躇してしまいますが,の並二丁は特盛とたった20円しか違わないので気軽にこちらを選択できます.
もしかすると…松屋が特盛をやめてしまったのは,並だけを安くしてしまったことによりこの器の断面積マジックの逆利用に気づいてしまう客を減らすためなのかもしれませんね.
余談ですが購入した牛丼(並二丁+特盛一丁)はこの検証の後速やかに,捨てずにきちんと食べました.いくら無駄にリッチを追求するといってもモノを粗末にしちゃぁいけませんからね.
さらに余談ですが,「大盛」といったらきちんと具も大盛になる安心できるお店をお探しの方には「どどん」というお店をお勧めします.ご飯だけ増量の「大盛」もありますが,ご飯も具も増量の「どどん盛」というのが圧巻です(ご飯三合).三合が多すぎな方には具だけ増量というのもあります.増量の徹底ぶり,そして潔さはまさに我リッチ研究所イチオシ.当研究所所員は皆,ここではどどん盛りを注文しています.
場所は京王線と東急世田谷線の下高井戸駅から徒歩1,2分のココの二階です.大盛で悔しい思いをしたお近くの方は是非食らいにいきましょう.